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●太田先生

 

今まで障害者とか高齢者の対応として、低床バス・超低床バスが日本で導入されましたが、欧米の基準からいいますと、通常のバスの85?pに対して低床バスといった時でも55?pのレベルを日本では議論して数年前に導入しようということで始まりました。しかし、ヨーロッパでは、完全に30?p以下のノンステップバスというのがでてきており、停車時にはニーリングということでさらに車高を下げることができ、そのままでも乗りやすいという形のバスが開発されています。後で荒谷さんに補足していただいた方が良いと思いますが、日本でもようやく注目され、国産車にはないので輸入により実験使用と試験的に幾つかの地域で入れはじめました。
最近はメーカーも頑張って、近々国産のものが開発されるというようなことも聞いています。こうした意味では車両を比較的手に入りやすくなってきたといえます。問題は、値段であり、通常のバスに比べやはり50%程度高いという話が出ているので、その辺を地域全体の役に立つということであれば、なんらかの支援をするとかの仕組みをすればぐっと普及するのではないかというように思います。

 

●藤田コーディネーター

 

荒谷さん、今名指しがありましたが、ノンステップバス・ニーリングバスについては、政策的なものに対して誘導される考えはありますか。

 

●荒谷先生

 

太田先生の仰ったことにつきると思います。
私どももこれからの高齢化社会ということで、誰もがお年寄りになる訳ですので、そういったバスの必要性を大いに痛感しています。問題は値段が高いということ、それについての財政面での支援や税制上の優遇措置等を考えて行きたいと思います。
財政的には運輸省のバス活性化対策費補助というのがあり、低床バスや超低床バスも補助対象にして支援をしていこうとしています。

 

●太田先生

 

高齢者の話がでましたが、高齢者対策ということで低床バスやノンステップバスといっていますが、実際これは高齢者より健常者の方に役に立つというかそういう側面を忘れてはいけないと考えています。
一つは高齢者とか交通困難者というような調査をされた先生がいらっしゃいますが、健常者といわれる65歳以下の若い人の中で一時的に病気であるとか、怪我であるとか、妊娠しているとかで通常のバスや鉄道が使いにくいという方が結構多いとのことです。交通困難者という概念で見るとむしろ健常者で普通の交通機関が使い辛いという人の方が数的に多いという話しもあります。
一方では65歳以上の方で多くの人が元気老人で実際交通困難者というのは半分程度という現実もあります。ということで高齢者に限らず一般の健常者にとってもやさしいということとノンステップになると高齢者にとっても乗りやすいが一般の人にとっても有効と思えます。一人当たり

 

 

 

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